秘密主義の楓くん
1secret
席替え
「おーい今日のHRは席替えするぞ」
先生のその一言で前の席からは歓喜が、後ろの席からは悲哀の声が聞こえて来る。
「ほーら、前の席のやつから取ってけー」
先生が席の番号が書いてある紙の入った箱を用意する。
そして順に前の席から紙を引いて行く。
黒板にはすでに机の場所に合わせて、数字がランダムに書き込まれている。
今まで私は廊下寄りの真ん中あたりの席にいた。
別に席はどこでもいい、前でも後ろでも。
強いて言うなら、後ろの方が嬉しいけど。