秘密主義の楓くん
「どうだ凛太郎?」
「おい…ちい」
口をもぐもぐと動かしながらも、凛太郎くんの表情は険しい。
「凛太郎くん、人参食べれてカッコいいよ。でも、無理して食べなくでいいからね」
頑張って一口嫌いな人参を食べたんだから、褒めてあげないと
「僕、しゃいごまで食べる」
フォークを持ち直し、しっかりと握り、背筋をピンっと伸ばす。
「えらいぞ凛太郎」
凛太郎くんに向ける楓くんの笑顔。
初めて見たかもしれない。
学校では話したこともなかったし、あの保育園に何度か迎えに行ったことだってあったのに、今まで一度も会ったことがなかったなんて
「楓くんもたくさん食べてね」
「ありがとう」
時々彼の口から溢れるタメ口。
私も時々タメ口で話してしまっているけど、なんだか破壊力あるな〜
って、私は何考えているの⁉︎