Gypsophila(カスミ草)~フラれ女子番外編
グルンデシューレはあくまで基礎学校。
10歳で卒業後は、ギムナジウム(大学を目指すエリートコース)、 レアルシューレ(実科学校・専門職を目指す)、 ハウプトシューレ(外国人学校に近い)、に別れる。
アビトゥーア(大学入学資格)をとれる6歳から13年制の一貫学校ゲザムトシューレや、シュタイナー学校というものもあるが、お母様は様々なことを考えてぼくをグルンデシューレへ入れたのだろう。
で。
翌日から早速学校に通いだしたけれども。いくら公爵家嫡男とはいえ、生母が日本人の平民ということもあり、同級生達の反応はすごくわかりやすいものだった。
大貴族の子弟ほどぼくを馬鹿にして意地悪してきて、逆に階級が低い者ほどぼくに媚を売ろうとする。 一般市民の子どもからは無関心を貫かれたし、まあ見事に孤立化した訳だけど。
大貴族たちは付き合ってもしょうもないマウント合戦しかしないし、階級が低いとやたら卑屈だし。そこそこの階級の気のいいやつらと、一般市民の(それでも裕福な方だけど)やつら数人と何とか友達になり、情報収集をしていくうちに、やはり懸念していた事態になりつつあることを実感した。
『だってよ!今年になって税金が倍に上がっただろ。父ちゃんが商売にならねえ!って悲鳴上げてたぜ』
昼食を取るために食堂のテーブルで、宝石商の息子のヨーゼフが鼻息荒くそうのたまった。
『あの悪徳女王が自分の贅沢のために上げたっての、みんな知ってるぜ!王宮から大量のダイヤの注文があったって同業者から聞いたもんな』