Gypsophila(カスミ草)~フラれ女子番外編

『……でも、本当に女王様が悪いのかな?』

おっ?と気になる発言をしたのは、猛勉強をしてこのグルンデシューレに入ったアーベル。メガネをかけきっちりした髪形の彼だけは本当に一般人で、優秀な子に期待をかけ親や親戚が苦労をして通わせてくれてるらしい。

『女王様はたしか、まだ13じゃなかったかな?つまり子どもだよ。それ以前からずいぶん悪政が続いてるけどさ。本当に女王様がやらせてると思うの?』

さすが、市民からこのグルンデシューレに入学しただけある。普通この年齢なら親や周りの言うことを鵜呑みにしてしまうものだけど、アーベルはきちんと自分の頭で考え判断している。

(うん、我ながらいい友達を持ったな)

6、7歳でこの利発さなら、将来的に付き合っても損はない。どころか、一番の親友になれそうな予感がした。

『そうだな。ボクもそう思うよ。だいたい、女王陛下は5つ……今のボクたちより年下で即位されたんだ。それで、自分であれこれやれる方がおかしいよね』

ぼくが当たり前の事を言うと、アーベルだけは同調してくれた。

『だね。ぼくも将来的には政治的なことに関わりたいけど、まだ子どもだから学んでも正直難しい。ましてや指示を出したり判断なんて、到底無理だよ。それを5歳から女王様がやっていたら、むしろすごいんじゃない?』



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