Gypsophila(カスミ草)~フラれ女子番外編
「社長~いい加減結婚したら!どうですか?」
苦労しながらカップ焼きそばの湯切りをしてるレイ王子に、唐突に提案してみましたよ。
「あちっ……いきなりなんだ!……あ」
あ、という残念な発音で、カップ麺の三大悲劇のひとつ……“カップ焼きそばの湯切り中に麺を全て流しにこぼす”を、王子がやらかしたことを察しました。
「小椋~!今度はおまえが作れ!」
恨みがましい目で見られ、「ハイハイ」とテーブルから立ち上がる。
カップ麺三大悲劇のもう1つ……“時間がたちすぎて冷めてのびた麺”を覚悟しましょうかね。
「リナさん……でしたっけ?あれ?アキナさんだったか、ハルナさん……?うん、誰とでもいいからさっさとくっついてくださいよ」
ダイニングテーブルで黙って麺をすする王子に、発破をかけてみた。
見た目は一流俳優かモデル並みの容姿でモデルルームのようなオサレなダイニングキッチンなのにな。とはいえ、王子が女性をここへ招いたことはないけど。
「グレース王国王女のミレイがあなたを婚約者扱いしてるみたいですよ。面倒ですから、さっさと日本の女性とくっついてください。既婚者なら、あの王女もなんにも言わないでしょ」