Gypsophila(カスミ草)~フラれ女子番外編
(どういうことだろう?アルビノでもなさそうなのに、叔父さんまで目が赤いなんて……女王陛下はアルビノの特長がある外見ではあったけど)
端正な顔立ちではあるけれど、叔父さんはあくまで日本人的な容姿をしてる。髪も染めてるようには見えない真っ黒さだし。何より、顔がお母様にそっくりで兄妹ってのが一目でわかるレベルだ。お母様は日本人にありがちな焦げ茶色の瞳だけど。
授業中はずっと叔父さんを観察していたから、内容はあんまり頭に入って来なかった。それでもリスニングだけで記憶に残していたし、後で理解すればいいや。
叔父さんの担当科目は英語。グレース王国はドイツ語が主な母国語ではあるけれど、イギリスの植民地政策の名残りで公用語に英語が含まれる国はけっこう多いからね。
それにしても、驚いた。
日本人なのに現地人と遜色ないほどドイツ語が話せるだけでもすごいのに、英語は完璧なクイーンズイングリッシュ。しかもネイティブな発音ときた。そのまま教科書のお手本になりそうだ。
たまに冗談を言ってたが……クラスメイトたちは巨大な疑問符を頭に浮かべただろう。
当たり前だ。
ラテン語なんて、今時習うわけがない。少し昔は必須の教養だったらしいが……今はすでに1990年だよ。ぼくはお母様からのスパルタで理解できたけどさ。
(ちなみに、今は10か国語ほど理解できる。将来はもっと増やせと鬼……もとい。お母様がおっしゃいますが)