Gypsophila(カスミ草)~フラれ女子番外編
けど、レイ王子はただ一言。
「面倒」
で、ハイ終了。
それ以上は何を言っても無駄だから、ぼくも
「そですか」
で終わらせておいた。
ちなみに、ぼくのサッポ○一番塩ラーメンは、冷めてもバッチリ美味しかった。
レイ王子が寝室に入るのを見届けてから、やっと本日の全業務は終了。
「ハイ、お疲れ様~じゃあ、次の人に交代してちょ!」
盗聴の危険性がない周波数のレシーバーで、警備要員に指示を出しておく。
レイ王子はアスフォーコミュニティの社長ではあるけれど、グレース王国の全ての権利を放棄してはいないから、かの国の王位継承権がある。
ヨーロッパの王室にありがちな、サリカ法典による“女子は土地を持てない”という規則により、長子でも女性は王位継承権がない国は多いが、近年は法改正で女性にも継承権を認めるようになってきている。
グレース王国も先々代までは女性の継承権は認められていなかったが、ミルコ女王を即位させるために王室典範が変えられた。
そのため、現国王ゲオルグ2世陛下の長女・ミレイ王女が王位継承権第1位。
レイ王子は先代の女王の息子なので、傍流として継承権第2位となる。
このまま順当にミレイ王女が女王として即位することになるが……。
グレース王国の国民たちが、とても彼女の即位を受け入れるとは思えなかった。
現に、今日来たボンボンさんたちみたいに、レイ王子の即位に期待する勢力があるのも事実なんだよね。めんどくさいことに。