Gypsophila(カスミ草)~フラれ女子番外編
「はあ!?」
親友を信じられない目で見た。
女性だけならともかく、女王陛下に告白?
まだ、子どもで侍従見習いに過ぎないぼくが??
「……たちの悪い冗談言わないでくれる?」
「なんで?」
アーベルに本気で問い返された。
ぼくが上に挙げた理由を返すと、プッと吹き出された。
「それ、裏を返せば“身分と年齢が合えば告白したい”って言ってるようにしか見えないよ」
彼のあくまで前向きな思考にあ然としたよ……。
「いや、いいよ!やっぱりボクは叔父さんのフォローをするって決めたんだ。女王陛下には誰よりも幸せになって欲しいからね」
「……そうか」
アーベルはため息を着いて、隣の椅子に座った。
「カール、もし悩んだらすぐに言ってくれよ。僕も相談には乗れるしさ」
「うん……でもさ」
ちょっとだけ気になった。アーベルはぼくの恋をけしかけてきたけど。肝心の彼はどうなのか、と。
「アーベルの方はどうなんだよ?ボクだけじゃなく、きみの状況を教えてくれなきゃフェアじゃないよね?」
さあ、さあ!言えよ。逆にからかってやる……と意気込んでたけど。
「あー……僕の恋愛事情、ね……」
ごほん、と咳ばらいしたアーベルはかすかに顔が赤い。こりゃ、好きな人がいるな。と手ぐすねひいて話を待ってたけど。
「去年、マルガレーテに告白して付き合い始めたよ」
予想より斜め上どころか……ぼくの10段上ぐらい飛び越えて行ってたよ。