π to Σ
(3)
一目惚れ。
先生を一目みた瞬間に、恋におちた。
「運命! 運命の出会い以外にありえない!!」
4月のはじめ、自転車をこぐ翔の背中に向かって、何度も言った。
「亮太先生、やばい。まぢかっこいいんだもん。大人って感じ。数学の授業が楽しみになっちゃった」
先生は数学の担当だった。
『あ、先生って、俺のことか』
今年の新任だという先生は、まだどこか慣れない様子で、授業をすすめた。
だけど、翔以外の誰にも、この気持ちは内緒にしていた。
他の誰かに、先生をとられたりなんか、したくなかった。
「そりゃあ、よかったな」
「てか翔、誰にも言わないでよ?」
「なにをだよ」
「だからぁ、私が先生を好きなことぉ!」
「はぁ~?」
「誰かが好きって言ったら、かっこよく見えちゃうじゃん」
「んだよそれ」
翔はぶっきらぼうに笑っていた。
だけど、そんな翔にも秘密にする理由ができた。
先生を一目みた瞬間に、恋におちた。
「運命! 運命の出会い以外にありえない!!」
4月のはじめ、自転車をこぐ翔の背中に向かって、何度も言った。
「亮太先生、やばい。まぢかっこいいんだもん。大人って感じ。数学の授業が楽しみになっちゃった」
先生は数学の担当だった。
『あ、先生って、俺のことか』
今年の新任だという先生は、まだどこか慣れない様子で、授業をすすめた。
だけど、翔以外の誰にも、この気持ちは内緒にしていた。
他の誰かに、先生をとられたりなんか、したくなかった。
「そりゃあ、よかったな」
「てか翔、誰にも言わないでよ?」
「なにをだよ」
「だからぁ、私が先生を好きなことぉ!」
「はぁ~?」
「誰かが好きって言ったら、かっこよく見えちゃうじゃん」
「んだよそれ」
翔はぶっきらぼうに笑っていた。
だけど、そんな翔にも秘密にする理由ができた。