雨は君に降り注ぐ

 体育館に響き渡るバッシュのこすれる音。
 バスケットボールがゴールをかすめる音。
 パス回しをする選手の掛け声。

 …まさに青春。

 ここにいる者は皆、輝いている。

 それぞれが自分の目標に向かって一生懸命で、夢中で努力していて、それでいて楽しそうで……本当に、この人たちは、バスケが大好きなんだということが、ひしひしと伝わってくる。

 圧倒された。

 隣の理子はというと、どうやら興奮度がMAXに達しているようで、大きな目をかっぴらいて、熱心にバスケサークルの練習風景を見つめている。
 …いや、バスケの練習をしているメンバー(特に男子)の顔を、熱心に眺めている、と言ったほうがいいだろう。

 なるほど、確かにイケメンが多い。
 どこを見ても、顔立ちの整った人ばかりだ。

 しかし、イケメン達と同じくらい、美女の人数も多い。
 女子メンバーのほとんどが、かわいらしく、美しい顔をしている。

 まあ、理子の方がかわいいけど。

 でも、ライバルは多そうだよ、理子。


「入会希望の方、ですよね?」
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