雨は君に降り注ぐ
翌日。
理子と一緒に体育館に向かう。
理子は、涼ちゃんに会える~、と大はしゃぎだ。
理子と涼介先輩の中は、日に日に進展しているようだ。
涼ちゃん、とは……?
対して私は、落ち込んでいた。
工藤くんと顔を合わせるのが、たまらなく怖い。気まずい。
一体、何を言えばいいのか。
理子は、そんな私の様子に気付いているのか、わざとらしいくらい明るくふるまってくれている。
こんな友人の気遣いが、今は、すごく痛い。
体育館について、理子と別れる。
マネージャーの理子は、まっ先に涼介先輩にかけよる。
私は、女子更衣室に入り、自分のロッカーの前に立った。
「吉岡さん?」
耳元で、誰かに声をかけられた。
飛び上がるほど驚いた。
確かに、この更衣室に入ったときは、誰もいなかったはずなのに。
「新川先輩……。」
「昨日は大丈夫だった?ちゃんと帰れた?」
「は、い…。」
「そっか。よかった。」
新川先輩が、にっこり笑う。
全身に、鳥肌が立った。