夜明け前の鬼ごっこ
「……何を言って……？」

「急に言われても分からないよね。でも、時期に思い出すはず。とりあえず、ルール説明をするね。今から始まるのは、鬼ごっこ。鬼である君が、逃げてる人にこの大鎌を振るうだけ！逃げてるのは、とある共通点で亡くなった魂が恨んでる人たちだ。存分に楽しむと良い」

死神が担いでいた大鎌を地面に置いて、死神は姿を消す。

「……」

俺は訳がわからないまま、大鎌を手に取ると歩き出した。

「鬼だ～！」

そう叫んで、女性は走り出す。その女性を見た瞬間、女性に笑われる記憶が流れた。

――気持ち悪い！消えろ！

「……だったら、お前が消えろ」

素早く女性に近づくと、俺は躊躇いもなく大鎌を振り下ろす。

女性の体は地面に崩れ落ちて、俺は女性の返り血を浴びた。でも、何も罪悪感は無い。

じっと女性を見つめるけど、俺はこの女性を知らない。

「……意味が分からないな」

女性が叫んでいたにも関わらず、周りは妙に静かだ。まるで、異世界に来てしまったように感じる。

「……見つけた……」

俺がフラフラと町を歩いていると、今度は男性を見つけた。流れるのは、この男性に殴られる記憶。

俺の足は自然と男性に向かっていて、俺は男性の後ろから大鎌を首に突きつける。
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