Welcome to the underground〜地下室は私たちのパラダイス〜
そして、彼女ができた。
丸山百合子先輩。
華奢で、色白で笑顔が可愛い先輩。
学校帰りに一緒に歩いているところを見たときは、あまりのショックに、部屋で泣いてしまった。
ねえ伸ちゃん、あたしと結婚するんだよね?

「おとなになったら、けっこんしようね」
子供の頃のそんな約束を信じているなんて、バカバカしいかもしれない。
でもあたしは信じたかったの。
伸ちゃんのことが大好きだから。
本当に結婚したいと思うほどに。

遠くから踏切の遮断機の音が聞こえてきた。そのあと電車が通り過ぎていく。
校舎の近くを線路が通っていて、その電車に乗れば、伸ちゃんの学校まで一時間半くらいで行ける…

電車の音なんて、毎日のことだから気にしたことなかったけど、最近は気になって仕方がない。
この4月から、伸ちゃんは家を出て寮生活を始めた。
< 8 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop