愛は惜しみなく与う【番外編】
「あれ?杏ちゃん寝たの?」
「部屋戻った時からほぼ寝てた」
杏ちゃんらしいね
慧はそう笑った
響と朔はリビングでゲームをして、新は今日は来て良かったと帰っていったらしい。
今は洋室の一室
泊まるときに、慧と寝ている部屋だ
朔と響がうるさいから部屋に来てみれば、慧が待っていた。
今日は女の家に戻らないらしい
久しぶりの2人
「杏ちゃん、どう?ちゃんと彼女らしくしてる?」
クスクス笑う慧
彼女らしくか
ぶっちゃけ彼女ができたことがないから、何をしたら彼女で彼氏なのかは分からない。
でもまぁ
「想像してたよりも、心臓に悪いかな」
これは本音
「え?心臓にわるいって?なんかあんまり想像つかないんだけど」
「俺も。想像できなくて、今までと特に変わらないんだろうなって。友達の延長って感じするじゃん」
「確かに…。いつもと変わらずってイメージではあるよね」
そうなんだよ。
でもちょっと違った
友達の延長だと言うには、少し違う
「まじで可愛くてえぐい」
「泉のその乏しい語彙力やめてくんない?」
ごもっとも。
可愛いとかえぐいとかもう、そんな朔みたいな言葉しか出てこない。