愛は惜しみなく与う【番外編】
「……一緒に寝ないの?」

「なぁ、寝ぼけてるん?今は寝ないよ」

「……今は?」


今からランニングやゆうてるやろ?
一緒に走るわけでもないやろし。


後ろからくっついていた泉の顔が前にグイっと出てきて、泉のほっぺがあたしのほっぺにくっつく。

すりすり


いや、かわええな


「ほら、寝てきぃー!スッキリしたら帰ってくるし」

まだうーうー言う泉の頬っぺたにキスをする。

可愛いなぁ


なんか、ペットみたい


「泉?」


そこ無反応なん?そう思って泉を引き剥がそうとしたら、何かにドンと身体がぶつかり、一瞬にして体勢が変わる


えっと

  

背中には洗面所の壁
目の前には泉
両手とも泉に手を絡められる


ん…?



「朝から反則級だな」


さっきまでボーっとしていた泉は、ハッキリそう喋った。
起きたの?反則?


そしてその繋がれた手は壁に押さえつけられた

待ってと手で制そうとしても、手は壁に押さえつけられて動かない。

嫌やったら膝を泉の腹に入れればええねんけど、別に…嫌ではない。ただちょっと恥ずかしい。
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