愛は惜しみなく与う【番外編】
あたしはふん!と怒りながら残りのルートを走る。

30分くらい経ったかな。
折り返しかー

そう思って河川敷の橋を渡った


朝早いし、登り始めた太陽が川にキラキラ反射して綺麗や。 
ふと橋から景色を眺めてみた

いつもならスルーやけどな。

ちょっと黄昏たい気分やったんや。


ボケーっとしようとしたら、きゃーーと女の子の声がした。


なに?

どこやろ

周りをキョロキョロ見渡しても、誰もいない。なに?空耳ってことはないやろ。

どこや?


「離してよ!!やめて!」


いや、確実に声がする

まさか、下!?!?

橋の下を覗くにも、橋はそれなりの幅があり、上から覗くには様子が見えへん。

もう!あたしの爽やかな朝を返してくれ!


急いで橋を渡りきり、土手を転がり落ちるスピードでおりる。

すると橋の下


女の子を3人がかりで押さえつけ、女の子の髪をつかみ、何かを言っている男がいる。

あぁ

胸糞わるいな


「お願い、やめて」


その声が聞こえた時、声をかけることもなく後ろから男の頭を蹴った。
普段ならこんなんせんけどな。

少しでも早く、女の子を解放してあげなあかんから
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