愛は惜しみなく与う【番外編】
「な、なんだてめぇ…!ぐぁ」


よし、二人目

そして状況を理解してあたしに向かって拳を飛ばしてくる三人目


反応はいいと思うけど


「遅い」


全員遅い

ただの雑魚や。

でもやっぱり怖いよな
女の子はまだ、何もされてへんやろか。

そう思った時、ゾロゾロと人が増えてきた。

いかにもって感じの奴らが。


6人?いや、7人か。

まぁ、いける


「あたしが相手の気を引くから、逃げてくれへん?別に人呼ぶ必要もないし、できるだけここから離れて」


女の子についてあげたいけど、さすがに7人相手に余所見する余裕はない。

すぐ後ろでグスンと泣いている女の子の肩に触れて、男たちの動きに集中しながら、早く行けと促す


いつ動く?

誰からくるやろうか



行って!

そう言う思いを込めて肩を少し押すと、女の子が立ち上がった。

うんうん、それでいい

そう思ったのに



「あ……あんた」


立ち上がってあたしの横にきたのは…

あの頭のおかしい女やった。
花江…先輩やっけ

綺麗なオレンジの髪をなびかさて、目は涙でうるみ…そしてあたしを睨む


あれ?罠?

いや、ちゃうちゃう。あの時の声は本気で怖がってる声やった。

えっと…
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