愛は惜しみなく与う【番外編】
「なんでその女を助けたんだ?」
「知らんやん!助けてーーって大きい声でゆうてたしや!」
「その女だと分かってたら見捨てたか?」
「は?どういうこと?」
「お前のところの総長の周りをうろちょろする女で、俺たちの凰牙の総長のところへ、色仕掛けしながら、お前らのチームを潰せと言った女だぞ。
別にどうなってもいいだろう」
ふむふむ
「まぁ自業自得やなとは思うけど」
思うよ。こんなややこしい世界に、綺麗なネエチャンはあかんよ。恰好の餌食や。
でも
「あたしはこの人、一発しばいたろかなって思ってただけやし、ここまでするのはちゃうと思うよ」
隣で、な!!と驚いた声を出した。
いやいや、誘拐したしな!あかんことやろ!私利私欲で誘拐はアホや!
そんで、この男の方や
「あんた、あたしらと本気でもっかいやり合いたいんやろ。ただこの人傷つけたいだけちゃうなぁ。多分やけど」
花江先輩をどうこうしてなんの利点があるかわからへん。揉めてから現れたから…花江先輩に手出すのに関して興味はなかったと言うわけや。