愛は惜しみなく与う【番外編】
「あんたは、何がしたい?」
櫻井はつよかった。黒蛇の岩見とか比にならないくらいに。
やのに総長ではない。
なんやろか
「……俺たちの総長がその女に惚れた。それはどうでもよかったんだが…烈火とはやり合わないって言ったんだ」
おお、ここまで聞くと、それでええよと言いそうやけど。まだあるな
「俺は烈火ともう一度やりたい。泉ともやりたい。お前ともやり合いたい。だから抗争してほしい」
「うーーーん。タイマンじゃあかんの?」
「チームとして上に立ちたい」
なるほどな
「でもそれは不可能や」
烈火よりも上に立つか……
「あたし一人にここまでされてるようじゃ、何人束になって来ようが、あたしにすら勝てへんで?」
そう言うと悔しそうな顔をした。
にしても分からないことがある。
「この人襲う必要あった?」
ぷるぷる震えてた花江先輩。あたしがここ通りかからなかったら、普通に嫌なことされてたってことやろ?
「いる?このワンクッション」
「…総長が惚れた女を…烈火が襲ったってことにして、チーム同士をぶつけたかった」
そうすれば凰牙の総長が怒って抗争になる…のか