愛は惜しみなく与う【番外編】
泉くんを何やと思ってるって…

そんなの…



「とりあえずさ、このままやと、花江先輩また狙われる可能性あるし、泉もきたから一緒に凰牙の倉庫行こか」


「何ですって?」


凰牙の倉庫へいく?何を言ってるの?


「貴方達、凰牙の幹部に狙われてるのよ?」

「いや、狙われてるのは花江先輩やろ。使える思って使われたら困るやろ?怖い思いすんの、嫌やん」


そう言った女は、すごく優しい顔をした。

何よ


「いらないわよ。別に関係ないでしょ?あたしは…別に大丈夫よ」


こんな事になるとは思わなかった。
ガラの悪い人達との付き合いは正直ある。でも深くないから、程よい距離を保てて、害はなかった。

けど、こんな風に自分が狙われたりする立場になるのはまた別だ。


怖いけど

この女に頼りたくない


「えー危ないやん。別にさ、自分がヒーローとか思ってへんけどさ」


ヒーロー気取り
噂を聞いて、この女を初めて見た時そう言った。
いい子ぶっていると思ってた。



「世界平和とかそんなん願ってへんけどさ。話したことある人とか、目の前で手を伸ばせば助けてあげれる人くらい……守ってあげたいって思うのは、普通ちゃうかな」
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