愛は惜しみなく与う【番外編】
あたしがおかしいんか?
首を傾げて、そんな大それたことを言う。
他人よ?
他人を守ってあげたいなんて思うの?
おかしいでしょ
あたしには分からない
誰かを助けてあげたいなんて…
それで自分に危険がふりかかるなんて…
でもこの人はそんな次元に居ないのかもしれない。こんなふざけた事を、真顔で言うんだから。
「やしまぁ、巻き込まれたとも思ってへんし、凰牙と話しはしに行こうとしてたから…ついでや。勿論泉もおるし、安心ちゃう?」
なによ、もう
わたしが子供みたいじゃない
なんなのよ
「メロンパンとコーヒー牛乳でよかった?」
そこへ泉くんが帰ってきた。
手に持つ袋には何やらたくさん詰まっている。
「おー、ありがとう」
泉くんからそれを受け取り、黙々と食べ出した。
怒られないの?
買ってこいとコンビニまで走らせて、ただ食べる。あたしには理解できない。
なのに、泉くんの顔を見れば、あたしがおかしいと思わされた。
嬉しそうにメロンパンを頬張る女をみて、微笑ましそうに眺めていたから。