愛は惜しみなく与う【番外編】
あーくったくった

そんな声が聞こえる。


「行くか」


女の声で泉くんも立ち上がった。
ねぇ、どこへ?
あたしは置いていかれるのかな?


「凰牙の倉庫、どこやっけ」


泉くんも…本当に来るの?


「杏に手出した奴がいるなら、そいつらだけボコるか」


「いや、あたしに手だしたやつは、その辺でさっきまで倒れてたし、これ以上追い討ちかけたらあかん」

じゃなくて!!
もう、寝ぼけてんの?と泉くんの肩あたりにグーパンチ


「ちゃんと話聞いてた???凰牙の幹部は、烈火とやり合いたいみたいで、花江先輩つかって抗争起こそうとしてたみたい。ほんで花江先輩が狙われてたの。

やし、やめろって言いに行くのと、幹部ボコって戦意喪失させるの!オッケー?」


ちゃんと話聞いといてよな!と女は言う。
いや、俺その話、ここ着いてから一つも聞いてない…と少し拗ねた顔をする泉くん。


てゆうか


「2人でいくの?」


今話を聞けば、倉庫に2人で乗り込みに行くみたいに聞こえたんだけど。

おかしいよね


凰牙の倉庫には最近行っていたからわかる。朝からそれなりの人がいる。
それに、ここで幹部が動いてたってことは、同じ風に思ってる幹部は倉庫にいるはずでしょ?
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