愛は惜しみなく与う【番外編】
そして突然


女遊びをやめた


総長になったその瞬間に


全く噂が流れなくなった。


元からそういう噂は殆どなく、あるとしたらわたしとの噂くらいだと思ってた。


でもそれさえもなかった


お前誰とも言われない

わたしのことを、視界に入れなくなった。


わたしは大学生になり、この街にいたくなくて留学した。


留学先でもたくさん恋をした。わたし、モテるからね。


でも、泉くんみたく、クールでそして、冷たい人は居なかった。

そして地元の友達からの連絡で、わたしの中で何かが変わった。


泉くんが特定の女の子を側に置いているという。

ありえない


あの泉くんが、そんなのするわけない。

知っている限りでも女遊びをやめて5年は経っている。その間、浮いた話が一切なかった。

幹部の年下の子達と、チームを盛り上げるために留年したことも知っている。

チームに捧げていると思ってたのに



誰よ、その女


嫉妬の心はみるみる膨れ上がった。


好きという純粋な気持ちは、どこかへ行ってしまっていた。
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