愛は惜しみなく与う【番外編】
泉は、可愛い?と眉間にシワを寄せた。
可愛いは嫌やねんな?
いや、でもなぁ
あたしの5倍は可愛い事ゆうたりしてるけど。

右手で持ってた荷物を左手に持ち直す。


「ん!」


空いた右手を差し出せば、笑顔であたしの手を握った。

わからんけどさ
可愛い彼女がいる彼氏の気持ちがわかった。

手繋ごって、やばない?可愛いなぁ


今思えば、泉と手はよく繋いでたけど、なんかこうやって歩くのは違うよな。


この何でもない日が幸せや
そう思えるようになったのは、泉のおかげ。


「今度、デートする?」

「デート?」

デート
こうやって一緒にスーパー行くとかじゃなくて、2人で出かけるって事よな?


「ありやな。楽しそう。行こう」


泉と2人なら、多分どこでも楽しい

そう思って家に帰ったのに……



「えーー泉と2人で楽しいの?俺たちも着いていくよ?」

慧がダブルデートにしよう!と言ってきた。


「そうですね。何だか泉と2人でデートって、楽しい感じがしませんが」


総長さん、すごい言われようやな…
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