愛は惜しみなく与う【番外編】
慧はニコニコ笑って言った


「応援したくなる。本当に幸せでいてほしいなって思うんだ」


なるほど…


「ありがとう」

それは嬉しい


「付き合うが分からんくて、上手くできてるかわからんし、デートも初めてやし、よく分からんけど……楽しいよ。慧が言ってくれた言葉、ずっと覚えてるねんで?」


慧は覚えてる?あたしに言ってくれた言葉を。
まだサトルと決着をつけれてないとき…

自分の夢を思い浮かべることも躊躇って、未来も見えず…

そんな時に慧が言ってくれた



「あたしにもキラキラ輝く未来があるって…言ってくれた」



あたしは覚えてるんやで。嬉しかったから。


「慧が言ってくれた通りになった」


ほんまにそうやねん。
こんな平和で温かい未来、全く描けなかった。あの頃のあたしはこんな幸せなことを考えることさえも、罪な気がしてた。

でも今は


なんでも思い描いていいもんな


「ありがとうな」


ここに居られるのは、皆んなのおかげや



「ね?キラキラしてるでしょ?」



慧のその笑顔の方が

キラキラしてるけどな


----
< 187 / 645 >

この作品をシェア

pagetop