愛は惜しみなく与う【番外編】
「おーーー!起きてる!元気そう?」
手を振りながら入ってくる1人の女の子
泉と同じ色の髪をふわふわと揺らしながら、笑顔で話しかけてくる。
友達じゃねーぞと、昔なら言っていただろう。
でもこの子は不思議な力があるのか…そんな毒づいた気持ちも、この子の前では無くなる。
「お陰様で、手術は成功したよ」
「やろーな!生きてるし!やったな、ぱぱちん!」
いぇーい
そう言いながら両手をこちらへ向けてくる
その行動に戸惑って固まってしまう
「ん?ハイタッチやで?まさか……!!手ぇ動かへんの?」
くそ!手術成功させろゆうたやろ!ドクター!と大きな声を出して部屋を出て行こうとする。
本当に、元気すぎて笑ってしまう
「嬢ちゃん。腕は動く。ハイタッチだな」
スッと両手を出すと、ニコリと笑顔になって、両手を出して走ってきた。
そんな様子を、息子は微笑ましそうに眺めていた。親の前でそんな顔をするな。
でもまぁ…今日くらいいいか
「泉も…来たんだな」
「死んだら色々手続きがあるからな」