愛は惜しみなく与う【番外編】
もうちょっとこの綺麗やお顔を眺めておく?キラキラしてるで?
同じもん食べて同じ空気吸うてんのに。

生意気なほど綺麗な顔をして眠ってるから、あたしの手は無意識に泉の鼻を摘んでいた。


「…ん」


息ができなくなってビックリしたのか、目がパッチリと開いて、泉はあたしを驚いた顔で見た。

そして鼻を摘むあたしの手に、すごーーく嫌そうに視線をずらした。


「おはよ?」

「離せよ」


鼻を摘まれて、泉の声が少し間抜けに聞こえる。
可哀想やしパッと手を離した。

あたしの身体は依然、泉に抱きつかれたまま。


「なんで鼻摘んだの?息できないじゃん」

「いや、なんか嫉妬するくらい綺麗な顔で寝てるからついつい」


みんなに見せてやりたいわ!ほんまスヤスヤ眠る泉は綺麗すぎる!見せたらへんけどな!!!



「息できなくさせるなら…」



悠長に腕枕をされたままだったあたし。泉はあたしの首の後ろから腕を引っこ抜いて体勢を変えた。

そして


「こっち、塞いでよ?」


まだ寝起きでぼーっとした顔のまま、ニコリと笑ってあたしの唇に泉の指が触れた。
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