愛は惜しみなく与う【番外編】
コーヒーゼリー!泉は喜んでくれた。
コーヒーゼリーめちゃ好きらしいからな。


「今日から売ってんの?」

「んーん。週末かな?泉は、先取りやで!」

スプーンを渡してコーヒーゼリーも渡すと、泉は嬉しそうに眺めてから食べてくれた。

うんうん。なんかあたし、泉を餌付けしてる感あるな?

胃袋掴めば勝ちって言うしええか!


「杏、コーヒーゼリー屋さん出来るぞ」

「いや、どんなんや、それ。コーヒーゼリーだけで乗り切れへんやろ」

「でもそれくらい上手い」


ならよかった。コーヒーはな、なんかな、東堂の家が独自ルートで取り寄せてるコーヒー豆があって…それ使ってるから。

多分めちゃええやつ

ほんで、それやとコスパ悪いし、店長と一緒にどの豆が近いか、研究した。
楽しいよな、やっぱりこういうの。


デザートも食べ終えて、またぼーっとする。


「少し冷えるか?」

「いや、大丈夫やで。足スースーするけど」


そう言うと、着ていた上着を脱いであたしの膝にかけてくれる泉。


「ええよ、寒なるで」

「足出てるから」

「いや、足は寒くないで?」

「人がチラチラ杏の足見てる」
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