愛は惜しみなく与う【番外編】
「で、お前ら何してんの?」

「デート」


「…は?」


杏は俺らを交互に見てきた男に、デートだと即答した。
そして男のこの顔

……面倒なことが起きそうだ


「何、お前彼氏できたんか!?」

「うん、そーそー。泉って言うねん。ほんでこれは篤志先輩!関西で薔薇の次に強かったBat KINGの総長してた人!」


杏が紹介が遅れた、ごめん。そう言ってその先輩に俺のことを紹介した。

彼氏です、と

一安心だ


「なんか、お前見たことあるなぁ」

「泉はこっちで有名らしいからな」

「……あれか!蕪木泉か!?」

「…どうも」

知ってるんや。なら話早いな。そう杏は笑っていた。この男の雰囲気を感じ取れない杏は、いい神経してるよ。


杏の彼氏だと言った瞬間

敵意が混ざった男の表情


「へぇ…でも蕪木泉っていえば、高校生ちゃうかったか?お前高校生と付き合ってんの?」

「あたしも高校生やしな。気にならん」

「は?お前卒業してへんの?」

「した!色々あってん!」

「頭は良かったろ?」

「まぁな。それも含めて色々あってん」
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