愛は惜しみなく与う【番外編】
「お!き、奇遇やな!俺もここの本屋行きつけやねん!」


わざとらしく視線を逸らし挨拶してきた。


「引っ越してきたてで、行きつけの本屋あるんだな」

「ギクゥ!!うるさい!お前見かけたからついてきたんや!なんで連絡返してくれへんねん!」


…跡をつけられてたのか?なんで?


「てゆうか俺の連絡先…「それな!杏の携帯の履歴みて、暗記してん!」


個人情報…
あの一瞬で暗記できるのはすごいけど、暗記してメール送ってくる根性がすごい。


「なぁ、ちょっとでええし教えてくれへん?」

「……なにを」

「俺は、仮にも先輩やぞ!?ふてぶてしい態度やなぁ!」

「勝手に人の携帯から番号盗み見て接触してくるやつ、人生の先輩だとは思わない」


くぅぅぅ!手厳しい!!!と頭を抱えた。
へんな人。
なんだろ?杏のことだとは思うけど。

関西人ってみんなノリと言うやつが凄いよな。


「悪かった!礼儀がなってないのは俺や。改めまして…冴木篤志21歳独身や」


よろしく!
と無理矢理握手をされた。21か…志木さんと昴さんと同い年なんじゃ?あの人たち22だったかな。ちょっと忘れたけど。
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