愛は惜しみなく与う【番外編】
すっ転びそうな杏を支える


「ナイスキャッチ!」


そういってすぐ離れる


「疲れた!ジュース買ってくる!」


公園の入り口の自販機に向かう杏のあとを、響が追って一緒に選んでいる。

はぁ


相変わらず、か


「おい、お前ら最近どーしたの?」

「何が」

「いや、何がってわかってんだろ?」


朔がタバコ吸おうぜとタバコをチラつかせる。公園に喫煙スペースがないから少し歩かなきゃいけない。

ついでに俺は、今タバコは吸ってない。

けどまぁ付き合うか


「杏と変な距離あるな」

「あぁ、なんか、避けられてる気がする」


この話を朔にするのもどうかと思うけど。朔は特に自分に対しての杏の対応は変わらないという。

なんだろう

俺何かしたのかな


「なんかしたの?」

「やっぱり俺のせいなの?」

「知らねーけど、明らかにお前にだけ、たまによそよそしい」


人から見てもそうなら、そうなんだろう。せっかく杏が帰ってきたのに。寂しい


「告ったの?」

「いや、それはまだ。帰ってきて普通だったけど、最近急によそよそしい」

「お前がエロ動画見てるところを、杏が見てしまったとかじゃねーの?」
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