愛は惜しみなく与う【番外編】
「まぁ待てって。ちょっと遊んでくれるだけでいい。俺らのボスが女の子連れてこいって煩いんだよ。女の子連れて行かないと俺らが怒られるんだよ」


な?ちょっとでいいから。
そう言ってくる男達

旅先でのトラブルは、みーーーんなに怒られる。どうやったら穏便に済むんやろ?



「私達時間ないから、ごめんなさい」


桜さんがそう言って通り過ぎようとした。

その桜さんに伸びる手



「おっと。触れる必要ないやろ?暇ちゃうねん。他の女の子あたって」



反射神経って大事よな
あと、それなりの力


「……なんで力入れるん?出来心で触れようとしてしまったなら、下げるべきやろ」


グッとあたしが掴んだ腕に力が入った。

血の気多い感じか?

喧嘩したら怒られるのに…


「杏ちゃん、大丈夫だから」

「そう?桜さんが大丈夫なら、ええんやで」


小さくなってる皐月ちゃんの手も引いて男達から離れる。

お願いやし、これ以上なんもしてくんなよー
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