愛は惜しみなく与う【番外編】
「好きな色買ったらええの?」

「そうだなぁ。泉くんって、何色が好きなの?」

「知らん。黄色ちゃう?」

「それ、頭の色だけでしょ?」

「何か心当たりないの?身に付けてるものとかさー?」

これって泉の趣味に合わせるもんなん?破廉恥や。と呟きながらも、桜さんの隣に並んで下着を眺めている。

蕪木先輩って、なんだかイメージが湧かないんだよね。


むかーーし遊んでたらしいんだけど、今は全く噂もなく、ちょっと驚くくらい女っ気のない人だった。

チャラそうと言われがちかもしれないけど、硬派な人だと思うし、新が言うには、ほんとに杏ちゃん以外の女の子には興味がないと言う。


あんなイケメンに愛される杏ちゃん、すごいよね


すると杏ちゃんはある下着の前で足を止めた


白レースに綺麗な水色で花の刺繍が入ってる可愛い下着。


「気に入ったの?」

「え?あぁ…。夏に、泉が選んでくれた水着に似てる」

「水着を蕪木先輩が選んでくれたの?」

「うん。いらんゆうたんやけど、海行く時にみんなが買ってくれて…泉が選んでくれた」


なにそれなにそれ。聞いてないんだけど!?


そしてこの下着がその水着に似てるの?
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