愛は惜しみなく与う【番外編】
「ねぇねぇ。慧くんからLINEきたんだけど、みんな一緒にいるらしいよ。テレビ電話してみない?」

「いいね、それ」


杏ちゃんは、朝会ってたばっかりやんと苦笑いをしている。
あたしも前日は新の家でお世話になってたし、新には会えてたけどね。


杏ちゃんの苦笑いをスルーして、桜さんはテレビ電話を繋いだ。


「あー!慧くーーーん!」


2人は周りにオーラを放つタイプのバカップルだ。あたしと新は外ではそんなにイチャイチャしたりしない。

その辺桜さんが羨ましく思える時もある。新、外ではクールだからね。手くらいは繋いでくれるけど。


『桜さん!電話嬉しいよ。待ってたんだ』


今日もかわいいね、なんて甘い言葉をさらりという慧くん。うん、新も見習って欲しい。

新は落ち着いてるからね。学生のキャッキャとした恋愛とは少し違うかも。


すると画面の向こうの慧くんの顔を押しやる人物が…



『杏、楽しんでるか?』


ちょっと鼻血がでそうになったよ。
蕪木先輩の顔はイケメンすぎるんだ。それに優しい声。甘い声。
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