愛は惜しみなく与う【番外編】
「ほんまやな。泊まりやん」


あたしはアホなんか?何も考えてなかったわ。いや、この2人と話したからちょっと意識した。

泉に誘われた時は、1ミリも思わんかった。


うっわ!楽しみ!としか思ってなかったわ。


「え、いくいくー!って言ったの?」

「……うん。ゆうた」

「お泊まりしたことある?」

「泉と?お泊り…実家おるとき、窓から侵入してきて、ちょっと一緒に寝たけど」


あれは泊まってはないか

お泊まりってなんや?


あたしの頭がキャパオーバー寸前


「杏ちゃんの恥ずかしい境界線ってどこ?」


境界線?


「手を繋ぐのは?」

「大丈夫」

「キスするのは?」

「ちょっと恥ずかしい」

「同じ布団で寝るのは?」

「んー寝るのは大丈夫」


ほら!おかしいよ!と言われる。
布団で一緒に寝るのはおかしいんか?


「安心するやん?特に泉って安心するから…不眠がちなあたしもよく寝れる」


泉といると緊張の糸が切れたみたいに、パタリと眠ることがある。

それは泉を信用してて、全てを預けてるからであって…


「温もりを少し頂いて寝るだけやで?」


なんもせんよ?そう念押ししたがダメやった。
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