愛は惜しみなく与う【番外編】
「慧くんも詳しくは教えてくれないんだけど、お家のことは聞いていいの？」

「うん！全然ええよ！多分慧も新も自分の口から言うのは違うか。って思って言わんだけやろし」


引かんといてな？と笑って前置きをした。
2人にはお嬢様でグレて、やんちゃしてたってことしか言ってないから。

この話をするのは嫌いやったけど、半年前に解決したからかな。お母様のことも鈴のことも、もっかい好きになれたから…

話しても嫌な気分にはならへん


「東堂財閥ってわかる？」

「…関西の大きい財閥だよね？かなり…」


「そこの、娘」



「「え？」」


2人とも口が空いてますよ？



「「えーーーーー！？」」


いいリアクションありがとう。
パクパクと口を動かしている2人はとても可愛い。


「え、あの、東堂財閥の？娘が杏ちゃん？」

「そそ。まぁ継ぐのは妹やけどな」

「……ガチ中のガチお嬢様じゃん」

「生まれた環境がたまたまそうやっただけで、みんなと変わらん生き方やで。人よりも波瀾万丈の自信あるけど」


ただ生まれた家が金持ちやっただけ。
自分がお嬢様の自覚なんてなかった。懐かしいな。色々あったよ。
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