愛は惜しみなく与う【番外編】
「なんでグレちゃったの?」

踏み込み過ぎ?と眉を下げた


「もう終わったことやしええんやけどさ。和解もしたし…。あたし家族と仲良くなかってん。ほぼ存在はないものとして扱われてたから、グレた。志木っておったやろ?志木はあたしの専属の執事になってくれて…そばに居てくれたから、小さい時は、あたしには志木しかおらんかってん」


ぼんやりと…そして掻い摘んで話した


詳しい扱いを話してしまうと、他人事でも気分を悪くする人はいるから。
仲良くなかったって表現でええやろ。


「そんなこんなで引きこもりになって、強くなりたくて…アクション映画やら野蛮な映画を見るようになって…憧れてん」


この話はよくする
なんで喧嘩するようになったかって、よく聞かれるから。


単純よ


自分の身体だけで、自分より体格がいい人に勝ったり…かっこいいし


「血は繋がってないのに家族のような人ができるって素敵やと思ってん。烈火みたいなチームやったり、あたしの作った薔薇であったり…そういう繋がりに憧れてあたしは薔薇をつくったから」


かっこいいやん?そういうのって。
< 291 / 645 >

この作品をシェア

pagetop