愛は惜しみなく与う【番外編】
女の子なんて語ったらあかんくらいの戦力やったから。


「その敦子ちゃんと美奈子ちゃんは…どんな子なの?」


2人か…頭ぶっ飛んでるってゆう説明じゃあかんよな?


「あたしとは違った感じの子やで。ただ、仲間思いで熱いってのは同じかも。性格は…敦子も美奈子も男好きやし、取っ替え引っ替えしてたし……ずーーっと下ネタゆうてる下品な女や」


おっと?後半悪口になってしもた。
でも下品は訂正せーへんよ?


「その2人と一緒にいて、杏ちゃんはどうしてピュアなの?」

「それな。あたしも思うわ」


どうしてかな
どうしてやろう

あの頃は、未来がなかったから


「あたし生きるのに必死で、チームのみんなを守ることに必死やった。初めてできた…家族みたいな存在が大好きすぎて、恋愛とかどうでもよかった。まぁあとは、自分の素性を隠して生きてたから……そんな状態で恋愛なんてできひん」


あの頃は、東堂という存在が、足枷みたいな気がしてた。
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