愛は惜しみなく与う【番外編】
「ほんでなんやかんやして、婚約者おるし、高校卒業したら結婚せやあかんってなって…」

さすがに鈴のフリしてたことは言えないから。


「嫌やし留学するゆうて、関東に来て、高校入り直した。今はもう婚約者問題も解決して、あたしは何にも囚われず自由や。それもこれも、泉達のおかげやねんな。

せやから…こっちに戻ってきた去年のクリスマスから、あたしはほんまに自由に好きなことをしてよくなった。


となると、あたしはいつから泉が好きやったんやろうな」


たまに思うねんな
もしかしたら結構前から好きやったんかもって。


「杏ちゃん壮絶な人生を歩んでるんだね」

「うん、それはそうかも。でも今が楽しければ、あたしはそんなこともあったなーって思い出にできるから大丈夫」


サトルのことも、もうなんとも思ってない。
ある意味スッキリした終わり方ができたから。


「なんだか、なんて言ったらいいか分からないけど…」

「あ、全然!もうなんともないし!むしろ過去があるから今があるし。あたしは今こうやって、大事な仲間の、大事にしてる子達と仲良くなって遊びにこれてるのが幸せやで」
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