愛は惜しみなく与う【番外編】
「あたしも結構序盤から、泉のこと好きやったかも」


ついつい笑ってしまった

泉には出会った時から好きって言われた。

好きになるタイミングあった?とか思ってたけど、自然と好きになるもんなんやな。


「まぁ将来決められた人と結婚せなあかんし、東堂に戻らなあかんって思ってたから、恋愛から離れようとしてた」


自分には関係ないって。
未来なんて、無いと思ってたから。
自分の望む生き方なんて、できるはずないと、思ってた。


「未来のこと考えれるのって幸せやな」


先のことなんてどうでもよかった。
適当に生きて、適当に疲れて、ほんで知らん間に死ぬんやろなって思ってたけど。

今は楽しくて仕方がないよ


「そっか…2人は推しカップルになったよ」


皐月ちゃんは何故か涙ぐむ。
推しカップル?


「まだ周りでワーワー言う女の子も多いと思うけど、負けないでね」


「うん。黙らせる術はいっぱい知ってる!」


なんとでもなるよ
あたしら2人の問題に他人が入れる訳がないから。きにならん。


「あー幸せだな。あたしも新と久しぶりに旅行いこうかな」

「ええやん!来年は受験やら就職やらでみんな忙しくなるんやし、今のうちやで!」


みんなの進路、そういや聞いてなかったな


朔とか…大丈夫かな
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