愛は惜しみなく与う【番外編】
えっと
「助けに来てくれたんですか?」
「集合って言われたからね〜。何もされてないわよね?」
「はい、あたし達は…。杏ちゃんが…」
公園を覗き込むと、目眩がしそうになった。
何十人という男に囲まれている杏ちゃん。
は、早く助けなきゃ
「あたし交番行ってくる!」
桜さんはバッと駆け出そうとしたが、可愛い女の子に止められている。
「なんで交番??杏ちゃん、暴行罪で連行されちゃうで」
キャハハハと笑う
いや、笑える状況じゃない
「30人くらいいるんです…杏ちゃん1人だと…」
いや、この人たちが増えたところで、不利なのには変わらないでしょ?
「大丈夫!杏にやらせておけばいいのよ。あの子が喧嘩してるところ見た事ないの?」
「てゆうか、慧くんと新くんの彼女さんやろ?あたし敦子!よろしくー!」
ダメだ。頭が追いつかない
敦子ちゃんと…美奈子ちゃんだよね?
さっき杏ちゃんから聞いてたお仲間の話。会ってみたいなって言ったけど!こんな感じじゃなくて…
「杏が心配?大丈夫よ。30人くらいすぐ終わる」
すぐ終わる?
そんなの…
あり得ない