愛は惜しみなく与う【番外編】
この感情はなんだろう

杏ちゃんはとても優しい

面白くて明るくて少し照れ屋で


太陽みたいな子


怖くなんか、ない


杏ちゃんの忠告を聞かずに、外に出たのはあたし達だ。きっと嫌な予感がしてたんだろう。だけど、あたしが守るからと、外に一緒に出てくれた。

そこには、杏ちゃんの優しさしかない


慣れてるとはいえ、あんな大人数の男の人相手に、あたし達を守ろうと、一人で立ち向かってくれるんだ。



「見えるところにいたい」


怖くないといえば嘘になる。でも杏ちゃんが怖いわけじゃない。
杏ちゃんが怪我をしてしまうかもしれないのが怖い。


桜さんがあたしの手をギュッと握ってくれた。


「杏ちゃんの喧嘩は綺麗やから、大丈夫やで!」


敦子ちゃんはにこりと笑った


どういう意味かわからなかったけど



その姿を見て分かった




綺麗…


街頭に照らされて杏ちゃんの髪はキラキラと光る


杏ちゃんの息遣いだけが聞こえてきそうなくらいの澄んだ空気



杏ちゃんの姿だけが、目に映る
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