愛は惜しみなく与う【番外編】
杏ちゃんは、とても気さくだ

話しやすいし笑顔は可愛いし

初めましてを感じさせないくらいの女の子だった


一線ひかれる、か


東堂財閥の娘だったり、関西ナンバーワンチームの総長だったり…
大きな肩書きがある子だから。


杏ちゃんはあたしと出会う前にも、学校が同じ女の子と仲良くなれそうだと、喜んでいたことを新に聞いた。

でもその女の子は、杏ちゃんと揉めていた男の人の味方で…

裏切られたって聞いた


新はその時すごく心配していた


杏ちゃんは裏切られたと分かった時、仕方がないと困ったように笑ったらしい。


新はどうしてあげたらよかったのかと、あたしに弱音を吐いた。
その時はまだ杏ちゃんと出会ってなくて、あたしは少し杏ちゃんに嫉妬してたんだけど…


今思えば、そんな風に仕方ないと言えてしまう状況にいる杏ちゃんは、とても寂しい。

こんなにも優しい子なのにね



「きっと、どんな杏ちゃんでもお友達です」



喧嘩ができなくても、お嬢様じゃなくても、肩書きがなくても。

杏ちゃんは、杏ちゃんだから
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