愛は惜しみなく与う【番外編】
「ほんま、1人に対して何人でくるねん。いたたた…」
杏ちゃんは手首と足首をクルクルと回している。
怪我したのかな
「杏ちゃん!!!」
公園には怖い顔した人たちがバタリと倒れているままだけど、気にならなかった。
「うわぁ!!」
突っ立っている杏ちゃんに飛びつくと、驚いた顔をしたものの抱き止めてくれた。
「皐月ちゃん?危ないで!何人か息あるし起き上がってくるかも」
い、息ある?
気絶だよね?死んだみたいや言い方しないで?
杏ちゃんに殆ど抱き抱えられた状態で公園から連れ出された。
杏ちゃんの身体に腕を回して驚いた
「ほそっ」
いや、ムキムキだと思ってたわけではないけどさ?華奢だとは思ってたけど…
あんな人数を相手にしてしまうから
しっかりした身体を想像していたら、華奢で驚いた。女の子の…身体だ
「インナーマッスルや!」
ハハっと笑う杏ちゃん
桜さん達のいる場所まで、謎にあたしは抱っこして移動された。
「2人とも、なんもされてない?この2人に」
「しばくわよ」