愛は惜しみなく与う【番外編】
「とりあえずお腹空いたから店でもはいらない?」

「ありありー!」

「お腹空いて出てきたもんね」


スッと馴染めた
敦子ちゃんも美奈子ちゃんも、とても気さく。そんなに怖い人でもないし。


「あ、この人たちはこのままでいいの?」


桜さんは公園を振り返る。数名立ち上がってこっちをみてるけど…


「ええよ。もう手出せへん思うし」


そう杏ちゃんは苦笑いをしている。そうだよね。誰もこちらにくる気配はない。



「杏に1発でも殴られたらトラウマだからね」


「アホいいなや。こんな拠点じゃないところで本気出してどーすんの。手抜いたわ」



手を抜いたらしい。
本気の本気の場合はどうなることやら。


「相手が弱いと本気出さないのよ。やりすぎちゃ困るでしょ?」


そう教えてもらったけど…


「泉となら、本気でやれそう」


杏ちゃん?何言ってるの?たしかに蕪木先輩は強いけど!!!


少し歩き、さっきまでいた店だと、案内してもらって、ようやくあたし達はご飯にありつけた。

なんだか、非日常を味わった気分



そして明るいところで杏ちゃんの顔を見て、気絶しそうになった。
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