愛は惜しみなく与う【番外編】
「風邪ひくで?」

"うん、引いたら看病して"


よかった。あんまり怒ってないみたいや。


"何があった?"

「あー…んと、昔あたしと志木が喧嘩した相手のチームの人らに絡まれた。あんまり覚えてないねんけど、関西に絡んできたチームやと思う。あたしの顔も知ってたから。

ほんでな?ちょうど敦子も美奈子も近くに旅行来ててん!嫌な予感したし2人に現在地の共有もしてて…

コンビニ行きたい言われたし外出たらそいつらおって…2人に加勢してもらおうと信号出したら…泉達への通知を切り忘れて……」


はぁ
あたしでも心配で、は?ってなるわ。そんなん急に来たら。


「ごめん」


"怪我は?"

「それは全然どこも痛くない。あ、この顔の傷は自分の爪が当たってん」


頬の傷に目が行ったから必死に釈明する。触れられてないから傷はつかへん。つくとしたらあたしの手が当たっただけや。


"捻挫とかもしてないか?アドレナリン切れたか?"

「うん、もう落ち着いた。でもどこも痛くないよ?」

アドレナリンって凄くて…喧嘩中は怪我しても骨折れてもあんまり痛くないのよ。アドレナリンがカバーしてくれる。

でも喧嘩終わったあとは、一気に身体中痛くなったりする。
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