愛は惜しみなく与う【番外編】
"杏?やっぱり、何かあったか?"

「んーん。あたしも泉に会いたいなって」


一緒やで
あたしも寂しいし

今、泉に何かあったらと思うと、きっと2人を置いてでも帰るやろうし。
なんかもう矛盾してるのはわかってる。


"……悲しいことでもあった?"

「ないよ、大丈夫。いっぱい話せて楽しいの。泉の話もいっぱいしたんやで?せやからなんか、会いたくなった」


あたしは、こんなこと言うような奴やったんやな。大発見やで。

小っ恥ずかしいことを言ってるのはわかるけど、泉には自分の気持ちは素直に伝えれる。


" 何話したの? "

「何やろ?んーーー泉に言える話はしてないかも」

"なんだそれ。悪口か?"


フッと小さく笑い、泉は意地悪な顔をした。
かっこいいな。
水も滴るいい男ってか?


「悪口ちゃうよ!でもちょっと、恥ずかしい話!」


なんだそれ。そう笑った。
顔が見える電話は、好きかも


「旅行楽しみやな」

"……あぁ、そうだな"

「場所勝手に決めていい?」

"うん。好きなところでいいよ"

「やった!楽しみにしててな!」
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