愛は惜しみなく与う【番外編】
あーーでたでた

「美奈子と敦子には相談せんって誓ってるから言わん」

「えーー?なんでなん?意地悪言わんといてよ!あたしら杏ちゃんに彼氏できるの何年も待ってんのに!」


敦子に冗談言うなと肩をぐわんぐわんと揺らされる。

冗談ちゃうし!本気やし!


「すーーぐ下品な話するし嫌や!」

「馬鹿ね。下品だと思ってることを、あんたはこれからするのよ!」

「誇らしげに言うな!」


これだから困る

昔、なかなか好きな人もできないあたしに、美奈子も敦子も心配したのか、男の子を紹介して来たことがあった。


でもさ?友達なら、それなりにまともな人紹介するやんな?


「あたし、絶対あんたらのせいで恋愛苦手になってる」

「うっそ!あんなに男紹介したのに?」

「それのせいや!!毎日日替わりで知らん男に声かけられて、デートやらホテル行こうやら言われてみ!?トラウマやぞ」


はぁ
思い出したよ

美奈子と敦子の友達やゆうから、あんまり失礼なことするのもアレやし思って大人しくしてたら…


「会って挨拶でキスしてこようとするやつとか……お茶しよゆうてホテル連れて行こうとするやつとか…」
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