愛は惜しみなく与う【番外編】
話くらいしてやるよ


「このところ、いろいろな事務処理に追われてストレスで胃が痛いです」

「少し休めばいいじゃないですか。妹が仕事してるんでしょ?」

「鈴はほんと、出来るまで時間がかかる。要領が悪い。甘やかされた証拠です」


悪態をつくが少し嬉しそうな志木さん

あるべき姿に戻ったって感じかな


「それに、貴方と杏様が付き合ったと聞いて、私の胃のストレスも限界です」

「いや、ストレスになるようなことじゃないだろ」

「そうですけど……ね。嫁に行くとなると寂しくて」


ハンカチを取り出して涙を拭う
何言ってんだこの人は。


「まだ学生ですよ?俺はやっと高3です」

「結婚なんてお金が無かろうが学生だろうが、なんとでも出来るんですよ!」

いや、そんな興奮しないでくれよ…


「卒業後のことは、話しているんですか?」


卒業後か
まだ話してないな


「俺は働きますけどね」

「杏様と結婚するため?」

「それもあるけど、自立したい。守るやつがいっぱいいるんでね」

「泉らしい回答ですね」


志木さんは東堂家にも、パシリになるような人が欲しいとボヤいた。
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