愛は惜しみなく与う【番外編】
志木さんの下は絶対働きたくないな


小言がひどそうだから


「それで…サトルなんですけど、いつ会えそうですか?」

「別にいつでも大丈夫ですけど。関西に行かないといけないのか」

「いえ、サトルが勾留されてるのは、都内です。なのだ近いのは近いんですが」


あ、そうなんだ。じゃあいいじゃん。関西まで行かなきゃいけないのかと思って、どう誤魔化そうか悩んだよ


「てゆうか、杏にはなんで言わないんです?」

「言ってもいいんですが、杏様が会うことはできませんので。一応彼女は被害者ですし。弁護士は2人を会わせることはありません」


なるほどな

なら言わないほうがいいって事か

でもな


「嘘つかないって約束したからな」

「なんですか?惚気ですか?」

「どこがだよ」


裏切りたくないな
言わなくていいことかもしれないけど、なんでも知る権利はある。
杏が嫌がるなら話さないけど。


「あーあーあー。杏様は泉にぞっこんですね。はぁ。ほんと、手塩に掛けて育てた杏様が…」


「はいはい、親バカみたいになってますよ」
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